WITec UHTS ラマン分光器
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WITecのラマン顕微鏡には、ラマンイメージング専用に開発された高スループット分光器(UHTS)が付属され、UHTSシリーズはレーザー励起波長(UV~赤外)とスペクトル分解能により6つのモデルが用意されています。
全てのUHTS分光器は、レンズ方式、ファイバー接続を採用し70%以上の透過効率を有しています。
自動切り替えのグレーティングターレットで、最大3枚のグレーティングが装着できます。お客様の要望される測定レンジ、分解能に応じてグレーティングを選択することができます。
検出器については、量子効率90%以上のCCDカメラ等、多くのCCDカメラの中から選択することができます。
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特長
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UHTSシリーズは、70%以上の高透過率を有しています。それらは、極微弱光のラマンイメージングに対応できるように設計されています。
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UHTSを用いたデータ収集では、1msec/スペクトラム以下の速さで測定が可能であり、通常何千ものスペクトラム収集が必要なラマンイメージングにとって非常に有利です.
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UHTS分光器により非常に高品質なラマンスペクトラムとイメージングデータが得られます。コマ収差/非点収差フリー設計により対称性の良いラマンピーク測定が可能です。
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3種のグレーティング切り替えが自動でできるターレット機構で、グレーティングの組み合わせが自由にできるようなりました。かつてない簡易さでグレーティングの切り替えが可能です。
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UHTSシリーズは、レーザー励起波長やラマンイメージングで要求されるスペクトル分解能に対応して、いくつかのフォーカス長を選択することができます。
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フォーカス長とグレーティングの刻線数は、信号強度/検出範囲/スペクトル分解能に寄与します。
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UHTSシリーズ
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- レンズ方式イメージング分光器
- 微弱光対応設計
- スループット >70%
- 高ピーク対称性 (コマ収差/非点収差フリー)
- 3種までのグレーティング自動切り替え
- FC/APC 光ファイバー入力
- 前面照射(FI) 背面照射(BI)CCD検出器対応
- WITecソフトウェアから制御/データ収集
UHTS 300 VIS
可視光領域において、最適のスペクトル分離能を発揮します。300mmのフォーカス長は、ラマンイメージングにおいて最適な感度を引き出します。
UHTS 600 VIS
スペクトル分解能をより鮮明に高めるため、フォーカス長を600mmにした分光器です。可視光領域において最高のスペクトラム分解能を得ることができ、感度と高スループットも同時に提供します。高分解能ながら高スループットを維持しているので、ラマンスペクトル/ラマンイメージングの取り込みを高速で行うことができます。
UHTS 400 UV-VIS
光学系を最適化し、355nmの紫外から488nm以下の励起光でのラマンイメージングに対応します。
UHTS 300 VIS-NIR
可視光532nmから近赤外光830nmまでの広い領域の励起光に対応します。このより手頃な分光器は、532nmから830nmまでの複数の励起レーザーの構成に対応しながら、UHTSファミリーの優位性を維持しています。
UHTS 400 NIR
近赤外領域に特化した分光器です。フォーカス長は400mmで、最適化されたグレーティングとDeep Depletion CCD検出器の組み合わせで近赤外領域で最高の性能を発揮します。
UHTS 300 IR
800nm~1700nmの励起波長領域をカバーします。この領域でのラマン分光や、7蛍光観察実験に最適なグレーティングと検出器で構成されます。
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CCD検出器
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前面照射 (FI) CCDカメラ
前面照射CCDカメラは、 幅広い波長領域でほとんどのアプリケーションに対応でき、価格を抑えたシステムを構成できます。
背面照射 (BI) CCDカメラ
背面照射CCDカメラは、可視光領域で量子効率95%以上を有しラマン分光で標準的に使用されています。前面照射CCDカメラに比べると2倍の量子効率があり、高分解能・高感度でのFAST RAMAN IMAGINGR に最適です。 (UV領域の測定が可能なものもあります)
Electron-Multiplying (EM) CCDカメラ
EM CCDカメラは、最先端のラマンアプリケーションに使用され、微弱信号の検出や超高速ラマンイメージングに適しています。読み出しスピードは、760 µs/スペクトラム (1300 スペクトラム/sec)以下で、暗電流は0.0001 electrons/pixel/secです。
Open Electrode (OE) CCDカメラ
open electrode CCDカメラは、前面照射カメラでUV領域測定に適した波長領域を有しています。暗電流が少なく高S/Nを実現しており、様々なアプリケーションに対して多目的で使用されます。
低ノイズ Deep Depletion CCDカメラ
近赤外のラマン分光測定やフォトルミネッセンス測定では、背面照射Si-CCD検出器が長波長側で透過性が増加し「エタロニング」という干渉現象を引き起こすため、特別なCCD検出器が必要となります。 低ノイズのdeep depletion CCDカメラで近赤外やフォトルミネッセンスをシグナルのロスなく測定できます。
InGaAs リニアアレー検出器
1100nm付近のSiバンドギャップを超える測定では、1700nmの赤外領域まで量子効率90%の最先端のInGaAsリニアアレー検出器を取り付けることができます。
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フォトニックファイバーを採用
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分光器への接続は、最新技術であるフォトニックファイバーを採用。高透過効率による高スループットを実現しました。
特長:
- 光伝送ロスがほとんどない
- 光スループットがきわめて高い
- 理論的回折限界に達する横方向分解能と共焦点性を実現
- プリアライメントされたカップリングユニットにより、使いやすく長期間安定
- 偏光を保持したまま分光器へ導入
- ファイバーカップリングによるレーザー光の導入で、熱ドリフトの影響を排除
高性能ラマンイメージングを実証
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WITecのラマン顕微鏡は、極めて高い分解能でラマンスペクトラム、デプスプロファイル、3Dイメージングを行うことができます。比類無き測定スピード、感度、分解能を妥協やリスクなしで提供いたします。
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高性能ラマンイメージング: (A) エマルジョンの3D共焦点ラマンイメージ 対応ラマンスペクトラム (B) 緑: アルカン; 青: 水; 黄: CCl4 + 油. 観察条件: 200 x 200 x 20 画素、 100 x 100 x 10 μm³ 走査範囲, 積算時間 0.06 s/スペクトル、励起波長 532 nm. (C) 拡大走査像 観察条件: 100 x 100 画素、10 x 10 μm²、 積算時間 0.08 s/スペクトル、UHTS 600 分光器、グレーティング 1800 g/mm. (D) 高分解能スペクトル測定により室温で460 cm-1付近のCCl4 ピークが鮮明に分離観察されている。 -
ピーク対称性 左: シクロヘキサンのラマンスペクトラム UHTS 300 VISにて測定. 右: 1020 cm-1付近を拡大測定。測定ピーク(青)に対してローレンツカーブをフィッティング (赤)。理論ピークに対してほぼ測定データが一致している
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ラマン分光にとって高性能で多様性、拡張性に優れている– 今日導入し、明日に備える
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WITecの分光器システムは、様々なアプリケーションの厳しい要求に応えることができます。WITecはラマンイメージングのプロフェッショナルとして、個々のお客様のアプリケーションの要求や予算に応じて最適なシステムの提案をさせて頂きます。WITecのシステムは,将来出てくる要望に対して様々なアップグレードが可能であり、励起レーザー光の追加、スキャンステージ、顕微鏡オプションなどが容易に追加できます: あなたの研究対象が変わってもWITecのシステムは、簡単に対応できます。
文献資料
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WITec Spectroscopy Solutions Brochure
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