原子間力顕微鏡
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原子間力顕微鏡(AFM)は、カンチレバの探針と試料表面との間に働く力を検出し、非常に高い分解能(時として原子分解能)で表面形状を得ることができます。AFMは、横方向だけでなく、高さ方向の情報も得ることができ、さらに、探針-試料間の相互作用から吸着力、硬さなどの試料特性を得ることもできます。
WITecのAFM
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WITecの原子間力顕微鏡は、研究用グレードの光学顕微鏡に組み込まれており、カンチレバのアライメントや試料の場所探しが簡単に行えます。圧電体スキャナーで試料が走査され、表面形状像等の画像が表示されます。
先進のビデオカメラシステムで得られる光学顕微鏡像により、興味ある観察場所の特定が高分解能で行えます。試料とカンチレバが同時に観察できるので、観察場所を素早く見つけ、アプローチすることが可能。さらに光学顕微鏡のオプション(明視野、暗視野、偏光、蛍光 等)を追加して、AFM観察場所の特定をおこなうこともできます。高倍率光学顕微鏡とAFMの切り替えはレボルバーを回すだけで切り替えられ、AFMと高倍率光学顕微鏡で同一視野を見ることができます。
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光学系統図 -
カンチレバと試料を同時に光学顕微鏡で観察できるため、簡単にAFMでの観察位置の特定ができる。
ディジタルパルスフォースモード
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ディジタルパルスフォースモード(DPFM)は、非共振での間欠接触モードです。コンタクトモードでは損傷を与えてしまう柔らかい試料に対して有効で、他の試料特性も得られます。
AFMにDPFMを追加することで、単に表面形状だけでなく、試料の硬さ、吸着力、粘性、散逸、接触時間、長距離力などのデータを得ることができます。これらの測定は、1秒で数1000回測定しているので、通常のAFMの走査速度で取り込むことができます。
DPFMのハードウェアは、プログラマブル変調器、高速データ収集システム、リアルタイムデータ処理ユニットで構成されています。すべての測定データを保存しており、データ処理ソフトで解析を行います。
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DPFMユニットは,カンチレバの共振周波数より低い100Hz~2kHz,10~500nmの振幅で,AFMのz方向に正弦波の変調を加え,この繰り返し周波数でのフォースカーブ測定をおこなう.
WITecが提供するAFMとの組み合わせ
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WITecのシステムは,モジュール設計思想に基づいており,さまざまなイメージング機能,例えばラマンイメージング,蛍光,発光,原子間力顕微鏡(AFM),近接場光学顕微鏡(SNOM)を1台の装置に組み込むことができ,試料をより総合的に分析することができます.モードの切り替えは,顕微鏡のレボルバーを回すだけです.
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ラマンとAFM
AFMを共焦点ラマンイメージングと組み合わせると,試料の表面形状と化学特性を観察することができます.この2つの補完的観察手法は,WITecのラマン-AFMの装置の組み合わせで簡単に測定を行うことができます.
TERS (探針増強ラマン)法は,AFMラマンのアプリケーションの一つです.
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ラマン-AFMの組み合わせによるブレンドポリマー像 ラマン(左),AFM (右) 同一視野
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